海軍緊急戦備促進部規程


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 昭和19年6月に海軍省に設置された緊急戦備促進部についての規定です。
 8月下旬、海軍省において海軍次官主催の「緊急戦備促進部会」が開催されました。
 会議には米内大臣をはじめ、井上次官以下各局長、主要課長が出席、軍令部からは総長、次長以下が出席し、現状の燃料戦備説明がなされました。

 要点は以下の通りです。
 1.昭和19年8月末現在、ガダルカナル島の消耗戦等を経て、国内燃料保有量は次第に逼迫し
   つつある。
 2.内南洋を敵に占領された現況から見て、東支那海及び台湾海峡は次第に危険になりつつ
   ある。
 3.ドイツ駐在武官の情報に基づき、農林省の協力のもと、本年4月より、松根油の開発生産に
   よる重油、並びに航空燃料の生産を推進中。昭和20年の末頃には戦力化するものと予想。
 4.航空機用アルコール燃料については、大蔵、軍需、農商各省の協力を得て推進中。
   これが増産態勢に入るのは昭和20年10月頃と予想。

 この会議は関係者に参列者に相当の衝撃を与えたと言われています。
 緊急戦備部促進会は、設置以来初めて開催された会議でしたが、以後一度も開催されることはありませんでした。

緊急戦備促進部規程


 緊急戦備促進部規程
 昭和19年6月30日内令第798号

 緊急戦備促進部規程左の通定む
 緊急戦備促進部規程
 第1条 当分の間海軍省に緊急戦備促進部を置く
 第2条 緊急戦備促進部部は緊急戦備計画に基け関係各部の緊密なる連絡調整を図り各般の障碍を除去し以て之が円滑迅速なる実行の実行促進に任ずる所とす。
 第3条 海軍特攻部に部長、部員及幹事を置く其の組織別表の如し
 第4条 部長は部務を総理す
 第5条 副部長は部長を佐け部務を整理す
 第6条 部員及幹事は議案の審議、連絡等に任じ各常務機関を通じ審議決定事項の速なる実行の促進に任ずるものとす
 第7条 主任幹事は部長の命を承け部に関する庶務事項を掌理す
 第8条 幹事輔佐は幹事を輔佐す (別表) 部長 海軍省軍務局長


 第1類官制 緊急戦備促進部規程

別表

部長

 海軍省軍務局長 


副部長

 海軍省兵備局長 


部員

 海軍省人事局長   
 海軍省教育局長      
 海軍省軍需局長      
 海軍艦政本部総務部長   
 海軍航空本部総務部長   
 海軍電波本部総務部長   
 海軍施設本部総務部長   
 軍令部戦力補給部総務班長 
 海軍運輸本部長      
 海軍潜水艦部長      
 軍令部第二部長      

幹事

  (主任)海軍省軍務局第一課長  
 海軍省軍務局第二課長、第三課長       
 海軍省兵備局第一課長、第二課長、第四課長 
 海軍省人事局第一課長、第三課長      
 海軍省教育局第一課長           
 海軍省軍需局第一課長、第二課長、第三課長 
 海軍艦政本部総務部第一課長        
 海軍航空本部総務部第一課長        
 海軍電波本部総務部第一課長        
 海軍施設本部総務部第一課長        
 海軍運輸本部総務課長           
 海軍潜水艦部主席部員           
 軍令部第三、第四課長           

幹事補佐

 関係部局員中より必要に応じ之を命ず  


備考

 本表の外必要に応じ部員及幹事を 
 命ずることあるべし


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