作業艇概略図
『終戦時の日本海軍艦艇』(第2復員局 昭和22年4月)より
このページは回天訓練時や輸送に使用された十五米作業艇について解説しています。
①十五米作業艇
作業艇は回天訓練時の発進や回収用に特化して作られたものです。
回天を2基を同時に係留することができました。
また回天を輸送するためにも使用されました。回天2基を係留した状態での航続距離半径は約80.5kmです。
呉海軍工廠で1945年1月から6月までに20隻が建造され、終戦時には約50~80隻が他の海軍工廠や民間会社によって工事中でした。
船体は伝馬船のように非常にシンプルな構造で、全く船室等がありませんでしたが、頑丈に作られました。
回天関係の書籍で見られる「横抱艇」はこの「作業艇」ではないかと考えられます。
戦時日誌や引渡目録には「横抱艇」という名称は見られないことから、「作業艇」の別称もしくは通称とも考えられます。
排水量 | 9.74t |
全長 | 15.0m |
全幅 | 3.3m |
全高 | 1.60m |
機関 | ガソリン機関1基 80馬力(S.H.P) |
速力 | 9.0kt(回天なし) |
航続距離 | 約43.4海里(回天あり) |
燃料 | ガソリン |
備考 | 同型 20隻、未成50~80隻 |