大神回天基地

B操縦方法


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 回天の操作方法を解説します。

 @搭乗
 A発進準備
 B発進
 C旋回
 D深度
 E速度
 F観測・目標の把握

@搭乗

 
 搭乗するには上下のハッチを使用していましたが、上部ハッチは訓練・基地回天隊用下部ハッチは潜水艦からの発進用として使用していました。基地回天隊用の回天には下部ハッチはついていませんでした。
 ハッチの開閉は手動では内部からしかできず、訓練の際には必ず搭乗員自身が閉めていました。
 上部から搭乗した場合には整備員が艇の上に立ち、鋼製の重いハッチ蓋を、閉鎖する時に倒すのを手伝っていました。
 搭乗員がハッチを内部から閉鎖したのを確認すると、整備員はハッチ蓋の上にある2つの小さな窪みに、専用の金具を上から嵌めて廻し、閉鎖が完全かどうかを確認をする「増す締め」をしていました(大神では訓練時に発動手順終了後に上部ハッチを閉めていました)。
 外部から開けるには下部ハッチは六角レンチで、上部は十字の突起を工具で回していました。

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A発進準備

 
 次のような手順を踏んでいました。

 @電動縦舵機起動
 (オートジャイロの回転数が20,000回になるまで、5分ぐらいの時間を要しました)
 大神基地では南を0度に調整していました。(45度:東・270度:西・180度:北〉
 A操空塞気弁全開
 B縦舵機排気弁全開
 B潤滑油導水弁全開
 C燃料中間弁全開
 D起動弁全開
 E調速〇〇ノット・深度〇〇メートル

 ※詳細はこちらをどうぞ。
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B発進

 
 発動桿(発停把手)をいっぱい押すと酸素と石油は燃焼室に送り込まれ、続いて『火管』と呼ばれた発火装置が作動して燃焼を始め、排気が発生してピストンが動き出します。

 ポンプが動き出し海水が燃焼室に入り高圧蒸気を生み出すのです。
 発動桿をもとに戻せば酸素供給が止まりますのでエンジンは停止します。すぐに発動桿を押したら動く可能性もありましたが、原則、発火装置が働くのは―度だけであり二度はきかなかったのです。

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C旋回

 
 操舵用空気圧をジャイロコンパスを内蔵した電動縦舵機により圧搾空気弁の開け閉めを自動で制御し、新進路度数へジャイロコンパスの設定針を合わせるだけで、回頭後新進路に直進できました。

 急旋回する場合や電動縦舵機が故障した場合は人力縦舵機を使用しなければなりませんが、舵はかなり重く搭乗員の間では不評でした。

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D深度

 
 深度は深度機によって制御されていました。左上の深度改調把手(調深装置)で所要深度に設定すれば、圧力計で回天底部の海水圧力がはかられ、それに連動して縦舵同様の空気を使うことによって横舵が働き、所定深度を保っていました。

 回天は九三式酸素魚雷の深度機をそのまま使用したので、最大で深さ20mまで潜航することが可能でしたが、調深装置の目盛は15mまでしかありませんでした。

 航走中は燃料及び酸素を使用すると艇は次第に軽くなります。そこでツリムを適正にするために前後にある5個の調整タンクに注水する必要がありましたが、その注水機構が複雑でかなり難しかったと言われています。

 航走中艇内は気圧が次第に高くなり、気分が悪くなり、燃料パイプから僅かに石油が漏れると酔っぱらい運転になることがしばしばあったようです。

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E速度

 
 右上にある速力改調把手(調圧装置)を用いて酸素を送る圧力を1.5kg/cm2〜33kg/cm2まで操作することにより、自由に速度を変えることができました。

 しかし、3ノット以下だと火が消えて酸素装気圧のみの「冷走」状態になってしまうので、注意が必要でした。
 また水上航走中は12ノット以上出すとイルカ運動を起こし、最悪の制御が効かなくなる場合もありました。

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F観測・目標の把握

 
 観測は特眼鏡(水防眼鏡二型改五)を使用していました。
 しかし速度を上げすぎると特眼鏡付近に波しぶきが起こり観測がしにくくなっていました。一型改一ではその改善策として波しぶき板を変更していました。終戦間際には30ノット近い速度でイルカ運動しながら高速で観測することに成功しています。


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